Blog #027
こんにちは。 管理栄養士YUKIです。
★----今日のお話----★
今日はナトリウムについてお話しします。
ーーーナトリウムとは?ーーー
ナトリウムと食塩は何が違うの?
ナトリウムは、人が必要とするミネラルの一種で、食塩はナトリウムと塩素が結合した塩化ナトリウムのことです。
一般的に食塩とは海水を原料とした塩のことで、その99%以上はナトリウムが塩素と結合してできた「塩化ナトリウム」です。
つまりナトリウムは食塩の主成分の一つです。
食品に含まれるナトリウムは、主にこの塩化ナトリウムの形で摂取されます。
そのため塩化ナトリウムのことを食塩と呼ぶ場合もあります。
このことからナトリウムの摂取量や含有量などは「食塩相当量」として表記されることが多くあります。
ナトリウムを食塩に換算する場合は、「ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)」となります。
ーーーナトリウムの働きーーー
主に食塩として摂取され、体内では細胞外液の量を調節したり、血圧の変動に関わったりしています。
また胆汁や膵液、腸液の材料としても使われます。
ーーーナトリウムが不足する場合ーーー
通常、健康な方にナトリウム不足が起こることはないといわれていますが、気温の高い環境で体を動かすなどして汗をたくさんかいた場合には、ナトリウムが多く失われます。
また嘔吐(おうと)や下痢が長引いたり重症化したりする場合、抗利尿剤を使用している場合、腎臓病がある場合などにもナトリウムが失われます。
こうした影響により、血液中のナトリウム濃度が低下した状態のことを「低ナトリウム血症」といいます。
ーーーナトリウムが過剰な場合ーーー
ナトリウムの過剰摂取による短期的な影響としては、むくみや口の渇きが挙げられます。
また慢性的なナトリウムの摂り過ぎは高血圧や胃がん、食道がんのリスクを高めることが分かっています。
特に高血圧に関しては、食塩の過剰摂取が大きな原因となっています。
ーーーナトリウムは1日当たりどれくらい取れば良いの?ーーー
厚生労働省が設定する成人男女のナトリウムの摂取目標量は食塩相当量で男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
世界保健機関(WHO)は成人に対しナトリウム摂取量を食塩相当量で5g未満とすることを強く推奨しています。
厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の日本人のナトリウム摂取量の平均値は食塩相当量で10.1gです。
まだまだ摂りすぎていると言えますね。
ーーーナトリウムが多い食材ーーー
食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されることの多いナトリウムは、調味料に多く含まれている傾向にあります。
また、加工食品にも多く含まれています。
ーーーナトリウムを減らすためにはーーー
日本食はどうしてもナトリウム(食塩)が多くなります。塩の代わりに塩麹(しおこうじ)を取り入れると減塩につながります。
酢や柑橘(かんきつ)類の酸味、香辛料、香味野菜などを工夫して取り入れることで薄味でもおいしく食べることができます。
インスタント食品、外食、お店で売っているお惣菜も気をつけたい食品です。
みそ汁やスープなど、汁物のナトリウムが気になる場合に野菜や海藻を具材として入れることもおすすめです。
食物繊維を含む食品を積極的に摂ることもおすすめです。
食物繊維にはナトリウムを吸着し体外へ排出するはたらきがあります。
ーーーナトリウムとカリウムの関係ーーー
カリウムを含む食品を積極的に摂ることもナトリウムの摂り過ぎによる悪影響を防ぐのに有効です。
カリウムはミネラルの一種で、ナトリウムの排せつを促進する作用があります。
このため血圧を下げる効果も認められています。
カリウムは野菜や果物の他、海藻やいも類、豆類などの生鮮品に多く含まれますが、水溶性であるため煮たりゆでたりすることで水に溶け出してしまいます。
また、加工品や精製の進んだ食品でも減少します。
そのため、野菜や果物を生のままで摂ることで、よりたくさんのカリウムを摂取することができます。
★----今日のお話----★
ナトリウムは人が必要とするミネラルの一種で、主に食塩の形で体に入ってきます。
日本人はナトリウム(食塩)を摂りすぎている傾向にあります。大量の汗をかいた場合は補給が必要な場合があります。
ナトリウムの過剰摂取による悪影響を防ぐためには、調味料や加工食品、外食の利用を控えるだけでなく、カリウムや食物繊維を積極的に摂ることも効果的です。
お読みいただき、ありがとうございました。